静間 ハイブリットセラミックの知られざるメリット・デメリットについて、ご説明していきたいと思います。ハイブリッドセラミックとは何でしょう?セラミックという言葉を使っておりますので、白くてつるつるの陶器のような歯というふうに思われるかもしれませんが、どちらかといえば、これはセラミックと言っておりますけども、プラスチックに近い被せ物だと思ってください。
ハイブリッドセラミックというのは、簡単に言ってしまえば、セラミックとプラスチックを混ぜた金属を一切使用しない被せ物であるということです。また、一部保険適用が効きますので、そのへんも普通の白い歯とはちょっと違うところになります。
ハイブリッドセラミックのメリットは何でしょう?今もお話ししましたように、保険適用内の治療のものが一部あるために、費用を抑えた白い歯の提供が可能であるということがございます。セラミックを使用しますので、見た目に良いと。このセラミックを使用するという言葉がちょっと誤解を生んでしまうかもしれませんが、非常にセラミックに近いのですけども、プラスチックというふうに思っていただいたほうがいいかもしれません。
この金属の被せ物を外して、右のような白い被せ物にしておりますけども、これはハイブリッドセラミックになっております。見た目は綺麗ですね。左側の金属に比べれば、間違いなく右側のほうが自然な色をしておりますし、自然な形もしております。また、金属を使いません。当然、アレルギーの問題もありません。
ハイブリッドセラミックのデメリットというのは何でしょう?実は、保険適用ですと、色々な適用範囲が決められております。この第1小臼歯、第2小臼歯と言って、前から数えると4番目、5番目の歯のことですね。ここに今の保険制度では限られているということになります。
ハイブリッドセラミックのデメリットは何でしょう?これは先ほどお話ししましたように、セラミックという言葉がついておりますが、プラスチックの素材を多く含んでおりますので、当然、着色していく。もしくは黄ばんでいく。もしくは、黄ばんで着色したところはザラザラになって、非常にものが着色しやすくなってくるということがあります。
一般的には3年~5年程度で着色してしまうため、見た目が気になる方にはあまりお薦めできない。まあ、見た目というのは、その時の見た目というよりは、長期的な見た目と言うんでしょうか。そういうものを要求された場合には、どうしてもあまり、第一にお薦めするということにはならないと思います。
また、白いことは白いですけども、透明感があまりないですね。この写真のように、手前側のハイブリッド冠というのは確かに白い歯でありますが、ちょっと曇ったような、磨りガラスのように透けたような形にはなっておりません。後ろのオールセラミックブリッジと書いてあります。これはセラミックを使った素材ですけども、やはりこれに比べますと、つやがありませんね。唾液が出た時のつや。このような表面性状は、ハイブリッドセラミックでは再現が不可能となっております。
また、強度面で適用できない箇所がある。これは当然ですけども、セラミックではありません。何度も言うようですが、ハイブリッドセラミックというのは、言葉はセラミックという言葉を使ってますけども、どちらかと言えば、プラスチックの素材が強く作用しているために、強度的にはあまり強くないということになります。
見た目だけを回復するにはいいのですが、奥歯なんかには適用がしにくいと言われておりますので、先ほどの小臼歯というところに適用範囲が限られておりましたが、その理由もそのようなところからと言われております。
まとめです。ハイブリッドセラミックでは保険適用が可能なノンメタルの優れた被せ物ではありますが、セラミック、ジルコニアに比べると、やはり強度、見た目も落ちるというところがありますので、保険が適用の範囲で使うにはいいのですけども、長期的な見た目、長期的な機能を要求される場合には、あまりお薦めできないものとなっております。メリット・デメリットを正しく理解して、後悔のない選択をしてください。